便秘で悩んでいる人は多いものです。もともとは便秘症ではなかったのに、職場環境や生活環境の影響で便秘症になってしまったという人もいます。しかし体質的に昔からそうだったという人も含めて、殆どの人が何とか解消したいと願っているのも事実です。

便秘になると不都合がいろいろ生じてきます。代表的なのが腹部膨満で、いわゆるおなかが張ってしまう状態です。便秘の場合は腸内で悪玉菌の繁殖が進み腐敗発酵しますからガスが発生しやすくなります。腹痛も起こります。腸に長時間溜まっている便やガスは出口が塞がれているので腹痛の原因になるのです。詰まっている腸の口側腸管は何とか便やガスを肛門側に送ろうと動き、その際に痛みを生じるわけで、これは腸のたるみの多い部分に起こりやすくきやすく、左下腹部あたりが痛みます。

便秘は腸全体の動きが悪くなっているので食欲も不振にさせます。又美容面でも大敵でお肌の荒れも引き起こしてしまいます。これは腸内に便が溜まると老廃物が次第に醗酵してくることが原因で、そこから毒素が発生してお肌に影響を与え、吹き出物、シミ・ニキビとなってしまうのです。更に新陳代謝も低下しますから血行が悪くなり肌のハリとツヤも無くなってしまいます。こんな便秘は放っておいていいことはひとつもありません。ここではその解消方法を紹介していくことにします。

生活習慣の改善は便秘解消の基本です。まずは朝の食事をきちんと摂ることから排便習慣をつけるようにしましょう。

人間の身体は一般的に朝起きると腸の運動が促されて便が動き始めるようになっています。そのうえ朝食を摂ることで更に腸の運動が促進されるのです。従って、きちんと朝食を摂ってその15分～30分くらい後に排便をする習慣をつけることが重要なのです。毎日の排便に規則的なリズムをつけることで便意は起こるようになるものです。軽い症状のひとならこれだけでも便秘が解消されます。

又、極端な運動不足も大敵です。軽めの運動でもいいので日常的に心がけることが必要です。運動することで血液循環が良くなり大腸の運動も活発になりますし、便を押し出すために必要な腹筋の強化もできます。

もうひとつ要注意なのが便意がきたらそのタイミングを極力逃さないことです。せっかく便がしたい時でも我慢を繰り返してばかりいると、直腸や結腸の反射の機能が次第に鈍くなり、悪化すると便意を感じなくなってしまいます。更に神経の働きも鈍くなり腸の運動自体も弱まってしまいますから、便秘が常習化しまう原因となるのです。これは普段の心がけ次第ですからすぐにでも改善すべき点です。ストレスも原因のひとつですが、これは即実施とはいきませんから、知識として頭に入れておいてください。

規則正しい食事は便秘改善の基本です。朝、昼、晩の3度の食事を規則正しく摂ることで排泄はスムーズに行われるようになるもので、大抵は偏った食事の人が便秘を招いており、栄養バランスにも気をつけることです。 食事と併せて適度な水分の摂取も必要で、水分の摂取が少ないと大腸で便の水分が吸収されて硬くなってしまうからです。

又、便秘改善に必要とされているものとして食物繊維、ビフィズス菌、オリゴ糖の３つがあります。食物繊維は水分を吸収して便を柔らかくする機能があり、便の量も増やしてくれます。排便をスムーズにするにはそれなりの量が必要ですから、食物繊維の多い野菜や果物、海藻類を充分に摂ることが必要ですが、外食ではそうもいかないことが多いでしょうからサプリメントも活用すればいいと思います。

同様にビフィズス菌の摂取は、その増殖に伴う代謝産物として有機酸を産生し、腸の蠕動を促進してくれます。更に、ビフィズス菌はビタミンＢ群の合成で腸管を通じて元気のない細胞に働きかけ、細胞分裂を促す働きもあります。 オリゴ糖の働きは最近注目されているもので、微量でも腸内ビフィズス菌を増殖させ、善玉菌優勢のバランスの取れた腸内環境をつくる手助けをしてくれます。これらもサプリメントがあります。

便秘薬とはいかないまでも、体質改善の補助的な意味も含めてサプリメントを利用するのも方法のひとつです。できれば天然素材によるものから試した方がいいと思いますが、少し紹介してみることにしましょう。

まずは天然素材の代表としてビレモ沖縄の「すらっと寒天」ですが、そもそも寒天の成分の約80%はノーカロリーの食物繊維でダイエットのためにも有効なのですが、便意にも即効性があるとのことで好評です。パウダータイプでティースプーン小さじ1杯程度を200ccの熱湯に溶かして飲むだけなので食事の時にいっしょに摂れます。

又、頑固な宿便に効くといわれているのが銀座まるかんの「スリムドカン」です。スリムドカンの原材料は多岐に亘っており、ハブ茶末、番瀉茎末、番瀉茎エキス、キダチアロエ、オオバコ種子末、忍冬、 明日葉末、米胚芽、大豆発酵抽出物、ハトムギ末、キトサン、昆布末、スギナ末、ギムネマエキス末、ボレップ末、ビタミン（C,E,B1,B2,B12） 無臭にんにく末、小麦抽出物、カキ殻末、など書ききれない位です。とくにオオバコなどはそのままではまずくて摂りにくいのですが、これは錠剤ですから楽に続けることができます。ロングセラー品でもありますが、それだけリピーターも多く実績もあるということだと思います。

一方、楽天のネットショップで最近1位になったという便秘サプリメントが「すっきり小粒」というもので、これは話題のオリゴ糖をはじめ、食物繊維であるセルロース、クルクミンを含むウコンなど6種の天然由来成分が配合された錠剤です。更にアミノ酸を配合されていて、なるほど人気となりそうな内容です。これらサプリメントは前述の健康管理と併せて試すのならお勧めですが、これだけに頼らないようお願いします。

どうにも便秘の症状が改善されず便秘薬を使用することもあると思いますが、便秘薬にもいろいろな種類があり、できるだけ上手に利用して過度な依存にならないように心がけましょう。便秘薬には基本的に機械的下剤と刺激性下剤、浣腸などがあり、最近では腸内洗浄という方法も多くなってきているようです。

機械的下剤では浸潤性下剤、膨張性下剤、塩類下剤、糖類下剤という種類があり、浸潤性下剤はもっとも穏やかなもので、便の表面張力を低下させて便が軟化膨張して排便が容易となるものなのですが、軽度の人用で単剤では効果が不十分なことも多く、刺激性下剤との併用もしばしばあります。

膨張性下剤も習慣性のない薬で、浸潤性下剤同様に他薬と併用することが多い薬剤です。習慣性のないことでは塩類下剤がもっともその特性に該当し、場合によっては長期服用も可能な薬剤です。これは腸管内に水分を吸収させることによって便が軟らかくなって増大し、その刺激で便意をもよおすものです。大量の水分とともに服用すると効果的で、いってみれば食物繊維と同じような働きです。

刺激性下剤は、センナ、アロエ、プルセニドなど聞き覚えのある成分からできていますが、小腸より吸収されて直接大腸に入り、粘膜を刺激することで排便を促すので効きも強力です。座薬式になったものもあり、がんこな便秘にも使われています。

がんこな便秘には浣腸薬も使用されます。これは直腸を直接刺激する成分としてグリセリン、大腸を刺激するビサコジルなどが配合されており、腸の蠕動運動を高めて排便を促します。即効性があるので大事な要件の前に使う人もかなりいるようです。何にせよ、薬は最終的な解決方法であり、体質から便秘を解消しないと、この先もずっと悩むことになりますから十分に認識しておきましょう。